ものづくりの想い

糸が生地になり、生地が衣になり・・・。
そして、そこにはすべて「人の手」があり、
ものづくりに対する想いがあります。

すべては糸から。
ものづくりはここから始まります。

蚕が作る繭を集め、たくさんの繭から
細い細い1本の糸を取り、
それを何本もより合わせてつくる絹糸。
1個の繭から1500mもの糸が
取れると言われています。
その糸を巻き取り、染め、籏にかけます。
細い糸を何万回も打ち込むことで
美しい絹織り物ができるのです。

機械化できない作業を
人から人へ伝承しています。

「織る」という作業の前に様々な準備が必要です。
縦糸をつなぐ縦次という大変重要な作業も、
今では技術者の高齢化により
人手不足が深刻になっています。
そういった技術は人から人へ
口伝えによって引き継がれ脈々と伝承されています。

横糸を通し、筬(おさ)で打ち込む。
何万回も繰り返すことで
鮮やかな文様を描き出す。

縦糸の間を縫うように緯糸をシャトルで通し、
打ち込む作業を延々と繰り返す・・・
何万回も気の遠くなるような作業の繰り返しで
美しい織物が生まれます。
決して機械では出せない
手織りの良さを大切にしています。

何十年も使い続けている機械は
維持することも
簡単ではありません。

機械で織るとはいえ、その機械は
何十年も同じ機械を使い続けています。
すこしづつ細かな進化はしていますが
基本的な仕組みは
何十年も変わっていません。
機械を維持することも
年々難しくなっています。

寺社用装束、能装束、几帳や授与品、
それぞれの使い道によって
生地の表情が違います。

織物と一言でいっても
それぞれの用途によって
織り上がりの表情は様々です。
夏物、冬物など季節に合わせたものや
装束や几帳、授与品など
用途によっても縦糸と緯糸の
織りなす表情は千差万別です。

気が遠くなるような工程を経て
織り上がった生地を
ひと針、ひと針丁寧に縫製します。

生地を織り上げるだけでも
気の遠くなるような作業を重ねていますが、
そうして織り上がった生地を商品にするためには
縫製して形にしなければなりません。
一針一針心を込めて丁寧に縫製することで
生地に生命を吹き込んでいきます。

糸から始まったものづくりは、
織りや縫製などさまざまな工程を経て
商品となり、皆さまのお手元に届けます。

企画、糸、織り、縫製と人の手を何重にも通り
いつの商品が生まれるまでに
想像以上の時間がかかっています。
様々な苦労を経て商品が出来上がったときの
慶びは何物にも変えがたいものがあります。
そして、お客様のご要望に応えられたとき
その慶びはさらに大きなものになって
私たちのものづくりに対する想いを
より高めてくれるのです。